プロゲーマー先駆者・梅原大吾さんの配信への想い
世界中で活躍し、ゲーム好きはもちろんのこと、ベストセラー「勝ち続ける意志力」を通して幅広い層のファンが多い、格闘ゲームのプロゲーマー・梅原大吾さん。
日々大会のために練習をしながら、プロゲーミングチーム「Team Mildom Beast」を指揮し、さらにはゲーム配信に取り組む多忙な毎日を送っています。そんな梅原さんに、ゲーム配信についての想いを伺いました。
―現在の活動についてお聞かせください。
梅原:新型コロナウィルスの影響で、年間を通して世界各地で行われる大会に行くことができないので、オンラインで開かれる大会の練習に一番時間を使っていますね。以前は外に出向いて対戦会で練習していましたが、今は自宅で練習しています。2010年にプロゲーマーになってから大筋として10年間、練習するということは変わりません。それ以外の活動では配信に力をいれています。
―ゲーム配信を始めたのはいつごろですか?
梅原:2016年です。それまではゲストで呼ばれたりして極稀に番組に出ていました。年に2,3回くらいです。
―どのような経緯でゲーム配信を始めたのですか?
梅原:配信というジャンルがどんどん成長するなか、僕も直接ファンと交流を持つ新しい手段として配信を始めたいと思ったんです。それまでは、世界各地に遠征に出かけて、そこで出会う人びととだけの交わりに限られていたからです。それはそれで大会の醍醐味のひとつでもありますが、配信を通してより多くの人とつながりを持てることにすごく魅力を感じたんです。最初は世界の人たちに向けて格闘ゲームを配信していましたが、それは大会を見てもらえばいいんじゃないかと感じて、途中から色々なゲームの配信やカラオケ大会やら、早食い大会などの特別企画をやり始めました。
これまでと同じ内容では駄目…今まで封印していた手段を解禁して頑張った。
―Mildomとの出会いを教えてください。
梅原:マネジメントの会社経由で新しくチームスポンサーを探しているときに、Mildomから話をいただきました。悩んでいたというか、チームを解散したくなかったのでとてもありがたかったです。それが、出会いの最初です
―Mildomの印象はいかがですか?
梅原:Mildomだけの視聴者がいるんですよ。最初は他のプラットフォームから流れてきた人だと思ったのですが、Mildomに常駐している人がいて、Mildomの中で僕は視聴者数が多い方で目立つから、この人なんだろうって感じで結構新規が来てくれているようなんです。予想してなかったんですけど嬉しいことですよね。出来上がったばかりだからこそ、今目立つと新規が入ってきやすいのは想像していなかった。
―Mildomでどのように活動をスタートさせましたか?
梅原:やっぱり最初が肝心だなと思ったので、初めの1,2か月くらいは、配信もたくさんやりましたし、とにかく仲間を集めました。Mildom配信に興味がある人もそうだし、少し配信が伸び悩んでいる人もそうだし、とにかく全部巻き込んで、盛り上がっているっていう印象をまずつける必要があると考えて、最初の1,2か月はかなり頑張りましたね。
―意識的に周囲を巻き込んでいったのですか?
梅原:「梅原だけ見てください」だと、絶対に不十分だと思ったんですね。他社で見てくれていた海外の人は見に来ないので、数字も落ちる。これまでやってきたものと同じ配信では駄目だと考えました。 それまではあまりいろんな人と協力して何かやることはあえてしないようにしていたんですが、今まで封印していた手段を解禁して頑張った。配信時間も増やした。
―最初から意気込みがすごかったのですね。
梅原:そうですね…やるからにはというか、予想を覆したかったんです。だから「Mildomで視聴者数増やしてやる」って、そんな気概はありましたね。
―配信するゲームタイトルを選ばれるのは梅原さんですか?
梅原:いや、出演者と一緒に相談して決めます。あとはコメント見て、視聴者が見たいと思っているものや、お薦めのゲームをします。
コメントを読んで、コミュニケーションをとっている時が一番楽しい。
―配信していて一番楽しい瞬間はいつですか?
梅原:ホントのこと言うと、企画を立てて実行するときが一番ワクワクします。視聴者のコメントをずーっと読んでいるときも、ものすごく楽しいです。自分がコメント読み始めるとコメントの動きが活溌になるんですよね。そういう時にコメント読みながら、コミュニケーションをとっている時が実は普段の配信の中で一番楽しいかもしれない。
―配信者に向いている人はどんな人ですか?
梅原:実況という分野でいうと、ガチのゲーマーは配信に向いてないと思います。自分も含めて、ガチのゲーマーってゲームに対する集中力がすごいんですよ。だからゲームが上手くなるし、プレイの内容も良いんですけど、実況というのはゲームに集中したらいけない。 でもそれはガチのプロゲーマーには不自然で、難しいことだと思うので、ゲームはすごく好きだけど、そこまでハマんないよ、そこまで没頭しないよっていうほうが、ゲーム実況者に向いているなと思いますね。
―配信を通して、梅原さんが実施したいことは何ですか?
梅原:格闘ゲームに自分の軸を置くことが、自分にとってもファンにとってもスポンサーの人たちにとっても絶対一番良い。一番得意なところですから。格闘ゲームをしたことのなかった人や、新しい世代の若い人たちを取り込んでいかないとコミュニテイは大きくなっていかないので、初心者が参加しやすく楽しめるように、初心者だけの大会を開いて、その人たち同士で情報交換や練習ができるように促す活動をしたいですね。すでに初心者講座を配信で始めて手応えを感じています。もっともっとコミュニティのためになることをやっていきたいです。
―Mildomに期待することはなんですか?
梅原:ひとつ僕の中で目標があって、格闘ゲームの全盛期のような全国大会を日本で開きたい。あれは1万人規模なんですよ。ひとつのゲームで、です。いろんなゲームのタイトルが集まっているのではなくて、ひとつのゲームで1万人来ていたんですよ。あれをまた実現させたいと思っています。これは僕の勝手な願望ですが、そういうのを後押しできるようなものがMildomにあると嬉しい。特にMildomは国内をターゲットにしているので、国内の大会をMildomと一緒にやりたいです。
―ありがとうございました。
大会の練習と同じように、配信にも真剣に打ち込む姿勢が印象的な梅原さん。格闘ゲームの大会開催を今後の目標に据え、そのひとつの手段として配信を活かすという、プロゲーマーらしさと配信者らしさを兼ね備えた方でした。
※敬称略
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profile: 梅原大吾
世界で最も有名な格闘ゲームのチャンピオン。
20年以上にわたり世界の頂点に立ち続けるプロゲーマーの先駆者。ギネス記録3冠。
超人的なプレイから、世界中で「ビースト」と崇められる。
配信ゲームジャンル:格闘ゲーム、サバイバルゲームなど
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